私は27年精神科医を生業としています。
この経験で気づいた事は、精神科医にはブログが必要である事です。
医師が行う診療とは、一般的には病気やケガを治すイメージだと思います。
しかし診療とは単に治すだけでなく、新しいものを創り出す、すなわち創作も必要になります。
なぜ診療に創作が必要になるのか
診療に欠かせない事の1つとして、カルテなどへの記録があります。
カルテの役割は主に3つです。
①記録
精神科で言うと、患者さんの語った事や事実など、目に見えない事象をテキスト文にして記録します。
②事実の可視化
精神科領域では言葉や概念など、抽象的なことを扱います。
目に見えない事象を言葉に置き換えることで、物事を捉えやすくなります。
③自分自身を客観視
物事を通して何を感じ、何を思ったか。
患者さんとの対話の中で、自分が何を感じたのか
それらを導き出すのが、考え事をしている自分を上から見ている、もう一人の自分。超自我(ちょうじが、スーパーエゴ)です。
この超自我が、事象を捉え自分の心を通して出てきた考えを言葉に置き換え、現実世界へ誘います。
感じたことを書き綴る、ブログへの昇華
診療により、記録・可視化・客観視を経て湧き出たストーリーは、ブログへ昇華する必要があります。
診察室の中で留めておくのではなく、ブログを通じて世の中へ広めていくのです。
そうすれば、同じように悩む他の患者さんを助けるきっかけになります。
もちろん、診療で個人が特定される情報を開示することはありません(法により明確に禁じられています)。
ブログで公開するのは、あくまで医師が感じて編み出した経験とアイデアです。
よって診療行為とは、創作活動でもあるのです。
今後の目標
本業の診療ももちろんですが、今年もブログを続けていきたいです。
ブログで言葉を綴っていくことで、言葉や考えを磨くことができ、診療技術の向上が期待できます。
またその結果磨き出されたアイデアや経験を、より多くの方へ届くよう努力していきます。
ご清聴ありがとうございました。